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2021/8/8 保護者会レポート【自分の体を知って、もっと楽しく!~女性ホルモンとの付き合い方について~】

今回は、Branchを利用している保護者さんであり、保健師として企業の中で健康管理の仕事をされてきたTomoyo Setaさんを講師に迎え、お母さん方自身の体調に焦点を当ててお話をしていきました。

目次

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※Branch外へのシェアはお控えください。

あなたにはどんな役割がありますか?

母親であり、妻であり、娘であり…。子育てや介護など、30代~50代は特にいろんな役割が忙しく、ついつい自分の体調のことは後回しになってしまいがちです。そんな中でも、心身の健康というのはすべての土台となるもの。また、自分の心身の状態が落ち着いていると、子どもとの関わりのなかでもプラスになると考えられます。心と体、両方に影響を与えうる「女性ホルモン」について、改めて見直していきます。

体のサイクルについて

毎月のサイクル

1ヶ月の中でも、「エストロゲン」と「プロゲステロン」ふたつのホルモンが大きく増減します。エストロゲンが増加する時期は、代謝が促進されるためダイエットに取り組むにはおすすめ。逆に、減少する時期には無理せずキープする意識を持つとよいです。
また、正常な月経の周期を改めて確認してみましょう。正常範囲を大きく超えてしまう場合は、影に病気が隠れていたり、経血量の増加で貧血を起こしてしまったりすることも考えられます。

年単位のサイクル

エストロゲンのピークは20代後半~30代半ばまで。更年期の定義は“閉経の前後5年間”なので、個々人でいつ更年期が訪れるのか実は結果論でしか分かりません。いずれにしても、40代を過ぎてくるとホルモン量が急カーブで下がってくるため、何かしらの不調が生じる可能性があります。代謝が低下し、メタボリックシンドロームや血管系のリスクが上がってくる時期でもあるので、定期的に健康診断を受けることが重要です。

PMSチェックリスト

  1. 気分の不安定
  2. イライラや怒りやすい
  3. 不安感・緊張感
  4. うつ状態・自己評価の低下
  5. 仕事・趣味などへの興味消失
  6. 倦怠感・エネルギー低下
  7. 集中力の低下
  8. 食行動の変化(甘いものが食べたくなるなど)
  9. 睡眠障害
  10. その他の身体症状(乳房緊満感・体重増加・むくみ・肩こり・頭痛など)

まだ要因などがはっきり分かっていない部分も多いですが、月経前にはホルモンの急激な変化があるため、起こりやすい症状がいくつかあります。PMSと診断される数としては少なく、生活に支障が出ているかという点が基準となりますが、チェックリストの症状が多く当てはまる人はホルモンの影響を受けやすいんだなと自覚して対処していきましょう。
①自分の月経周期の中で、どの時期に症状が出るか知る・記録する
②コントロールできる範囲の予定は、なるべく①の時期に入れないようにする

更年期障害チェックリスト

  1. 顔がほてる
  2. 汗をかきやすい
  3. 顔や手足が冷えやすい
  4. 息切れ、動悸がする
  5. 寝つきが悪い、または眠りが浅い
  6. 怒りやすく、すぐイライラする
  7. くよくよしたり、憂うつになることがある
  8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある
  9. 疲れやすい
  10. 肩こり、腰痛、手足の痛みがある

ホルモン量の低下が診断の基準となるので、チェックリストに多く当てはまる人は、婦人科を受診しチェックしてもらうとよいでしょう。診断基準には当てはまらない場合も、原因がよく分からず症状として起こっている「なんとなく不調」に対しては、漢方を使ったアプローチも選択肢のひとつです。また、アプリやカレンダーなどを活用して症状を記録し、モニタリングしてみることも有効です。

貧血について

本来の「貧血」は、血液中のヘモグロビン量が低下して酸素を十分に運搬できない状態なので、出やすい症状は動いた時の息切れや疲れやすさなどです。フェリチン値が低下する「かくれ貧血」というものもあるので、気になる方は調べてみてください。
また、いわゆる立ちくらみは、「脳貧血」であることが多いです。主な要因としては、低血圧や自律神経の乱れなので対処も異なってきます。バッタリ倒れてしまう、生活に支障が出るということであれば他の病気がないか検査を行った方がよいかもしれません。

参考文献、サイト紹介

女性の健康管理について、便利なサイトや分かりやすい本もありますので参考になさってください。

  • 女40歳からの「不調」を感じたら読む本 (静山社文庫)
  • 女50歳からの「変調」を感じたら読む本 (静山社文庫)

年齢とともにエネルギーの総量が下がってくるため、『やらなくてもいいことは出来るだけそぎ落としていく』という考え方も役立ちます。少しでも“自分が楽でいられること”が、子どもにもきっといい影響を与えますよね。

  • 「対人関係療法」の精神科医が教える「怒り」がスーッと消える本 (大和出版)

本の中で『怒りは二次感情である』という記述があります。根本には何があるのか、役割期待や不安があるのかもしれません。

住んでいる地域×診療科で検索することができます。症状によって、婦人科あるいは心療内科・メンタルクリニック、消化器内科などの受診を検討してみてください。これからの時代は、患者もかしこく(笑)自分に合うお医者さんを探していけるといいなと思います。

質問コーナー

保護者Dさん

Q.年齢を重ねて不調が出てきても、ついつい頑張ってしまい、後から疲れがくる。「なんとなく不調」って、症状をうまく説明するのが難しい。実際のところ診断がつかないと家族に理解してもらえないのかなぁとモヤモヤ。

A.診断をもらってなくても、定期的に病院に行っている・お薬を飲んでいるということが伝われば、ご家族も何か感じ取ってくれて気持ちが楽になると思う。我慢しすぎて爆発するのを未然に防ぐことで、自分にとっても家族にとってもよい結果になるのでは。

保護者Dさん

Q. 更年期障害チェックリストの「眠りが浅い」というのも当てはまった。どう対応したらよい?

A. お薬の力を借りることもひとつの選択肢。翌朝に残ってしまう場合もあるが、薬の種類は豊富なので、医師に相談して翌日が休みの時に新しいお薬を試すなどの工夫をしてみては。

保護者Dさん

Q. 今かかりつけは内科のみだけど、それで大丈夫でしょうか?

A. 症状が本当につらい時すぐ受診しようにも、合うお医者さんを見つけるまでにエネルギーが必要ですよね。日ごろから、特に婦人科はかかりつけをつくっておくとよいと思います。 

参加者からのコメント

保護者Dさん

数年前から親子で漢方を飲んでいます。風邪をひきやすかったので、その予防で体をあっためるものを処方されました。今では「飲んでいれば大丈夫」とお守りみたいな部分もあります。

保護者Dさん

イライラに対応する漢方は、私たちの親世代や、認知症の方にも使われることがあるみたいですね。

保護者Dさん

更年期のことだけで受診するのは少しハードルも感じるけど、婦人科検診の時ついでにチェックもしてもらうのはおすすめ。

保護者Dさん

心療内科の女医さんを見つけて受診しました。思っていたより抵抗感がなく話しやすいですよ。

運営からのコメント

「今の状態にバッチリ当てはまる」「ずっと頷きながら聴いていました」という共感が多く寄せられ、「二の次、三の次になっていた自分の体調について見直す機会になった」という前向きなコメントも頂きました。
これからも、お子さんだけでなく保護者さん自身にもスポットを当てたり、身近なことについて学んだりする機会をつくっていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

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